「青年と哲人の対話篇」を読んで今後に役立てたいこと

エッセイ

私が紹介するのはフロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。

本のあらすじ


対人関係について悩む青年と哲人の対話方式で物語は展開されます。
対人関係の悩みは大きく分けて「孤独」「劣等感」「承認欲求」3つになります。

一つ目の孤独とは他者、集団社会がありそこから疎外されていると感ずることによるものであり宇宙に自分ひとりしかいない場合はおそらく孤独という概念すら出てこないとアドラー心理学では考えると青年に説きます。

二つ目の劣等感とは理想に到達していない自分に対し、まるで劣っているかのような感覚を抱くことと解しています。
これは貧乏人、金持ちでもみんなもっているものであるとも言っています。
劣等感がなぜ問題なのかというと、使い方を間違えなければ努力などの自己成長になる刺激となるものだが、間違えた劣等感を抱くと一歩前に踏み出せなくなったり、劣等感を先鋭化させ特異な劣等感に至るパターンもあります。
これは例えば不幸自慢のように他人に踏み込ませないようにするということです。
良い劣等感と悪い劣等感があり、悪い劣等感は不幸自慢のようなネガティブでマイナスの影響しかありませんので良い劣等感、つまり負けて悔しいから努力してつなけげる意識が大事と説いています。

三つ目の承認欲求とは「褒めてくれる人なければ適切な行動をしない」「罰する人がいなければ不適切な行動をとる」このようなことをいいます。

人は何のために生きているのか?承認されることも大事ですがあなたは他者の期待を満たすために生きているわけではないし、他者もまたあなたの期待を満たすために生きているわけではありません。
承認欲求にそって生きるということは他者の人生を生きることになります。
そうならないようにアドラーは「課題の分離」「共同体感覚」をしなさいと説いています。

本から学んだこと


参考になったのは課題の分離というところです。課題の分離は人との適度な距離を保つことで、例えば子に勉強しなさいと言っても親は他者(子ども)の課題に踏み込んでいることになるのでこれは親にとっては重荷なので切り捨てる、そうすることで人生をシンプルに軽くすることができます。

好き嫌いは自分が選択していますのであなたのことをよく思わない人がいてもそれはあなたの課題ではなく、「自分のことを好きになるべき」「こんなに尽くしているのに、、、」といったものは相手の課題に介入した見返り的発想であり嫌われたくないけど嫌われていることは相手の課題なのでどうしようもありません。
ですので嫌われる勇気も必要となるというところが勉強になりました。

本を読んで、今後参考にしたいこと・役立てたいこと

課題の分離では人に介入したところで、他人は他人であり自分ではコントロールできないので、良い意味で諦めがつくし無駄に精神・体力を消耗しないで済むようになりました。
あと孤独については集団でいると感じてしまうから孤独を感じるわけで、これが宇宙や無人島なら一人でいることは少しは感じますが、集団でいるときのような孤独感にはなりません。
嫌われているのを無理して好かれようとし疲弊する愚かさや、孤独というネガティブな感情をもつこと無駄さを教えてくれました。

本の感想


青年と哲学者のやり取りは、青年のネガティブさに辟易するところがありますが、哲学者の青年を説いていく姿は冷静沈着・的確で合点できるところがとても面白いです。
嫌われる勇気という視点は、自分の人生観には全くなかったのでとても衝撃的な内容でした。
日本人は顔色うかがったりおべっかを使ったりと良いところでもありますが悪いところでもあります。この本を読んでこの内容を実践する人が増えたらより良い国になるのかと感じます。

本のイマイチだったところ


青年がネガティブで哲学者に襲い掛からんばかりに罵声を浴びせたりと、情緒不安定な感じ、病的な態度に読んでいて不快に感じることがありました。

そのおかげで哲学者の説いていることが頭に入りやすくなる効果もあるとは思うのですが、やりすぎ感は否めません。

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