「病と障害と、傍らにあった本。」を読んだ感想とあらすじ

エッセイ

今回私が紹介する作品は病気と闘う人々が本を通して命と向き合う「病と障害と、傍らにあった本。」という本です。

本のあらすじ


著名な写真家や小説家、詩人等12人が登場します。
病いや障害を負い、中には家族の介護で病いと直面した方々が人生を自ら語るスタイルになっています。
鈴木大介氏や岩崎航氏等著名な方達の闘病記です。

しかし、普通の闘病物と違うのは彼らがふと手に取った本を通して、どう自分が励まされたり病いに真剣に向き合い立ち向かおうとしたのかが詳しく描かれています。
登場する方は創作に携わったりする方が殆どなのですが、病いによりペンを握れなくなったり、集中出来なくなったり取材に難が生じたりと、生きがいを失ってしまいます。
家族の励まし、医療の力も病いに打ち勝つ方法ですが、やはり自らの気持ちが前向きに再び奮い立たなければ生きがいは戻っては来ず、結局心が病いに負けてしまいます。
彼らは何気なく開いた本を通してベッド等狭い世界から再び立ち上がりリハビリを続け社会に戻っていきます。

一人一人今までの経歴が書かれていて感情移入もしやすく、応援したり励まされたり前向きになれる作品です。

本から学んだこと


人が命と向き合う時は大体が大きな手術を控えたり、自分や身内が中途障害や病いを負ったりした時だと思います。
そういう場合人間は酷く落ち込み絶望する反応を見せるようになっていますが、しばらくすると個人差はあれその現実と戦う心が芽生えてきます。
良くペンは武器より強い力を持つと言いますが、12人の主人公達の物語を読んで、再び社会人として人間として生きていくために本の中の言葉が彼らに与えた影響力の強さから、まさにペンの力は命も救うのか、と強く気付かされました。

本を読んで、今後参考にしたいこと・役立てたいこと

私達は病いや老い、家族の介護や身近な大切な人々の障害等避ける事は出来ません。
そんな時どうやって心だけは正気を保ち前を向いて行けるか人により個人差があると思います。
正直、本を読むまでも行けない程絶望する事があります。

しかし少し想像すると、入院して寝たきりになったり目を失ったりした私達が真っ先に手を伸ばすのは活字や点字ではないでしょうか。
本の中の世界は障害者には広すぎるかもしれないけれど無限の想像力を与えてくれます。
そこに健常者や障害者の壁はありません。
私もこの12人の人達の様に窮地にある時は本に心を救ってもらい病いと戦っていきたいと思いました。

本の感想


障害者、健常者問わず読みやすく、前向きになれる作品です。
知らない登場人物の方も多いですが、経歴が少し書かれてあってその人物の過去や業績が分かるようになっています。
本から励まされた文章がそのまま載っている事もあり、その本の勉強にもなります。

本のイマイチだったところ


色々な立場の方の闘病が見てみたかったです。
文学や芸術関係者が多かったです。
様々な職種の方がどう本と向き合ったか知ることにより、本作品はもっと多様性が出た様な気がします。
あと、励まされた部分の文章が短めなので少し残念でした。

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