「少女不十分」を読んで親の在り方、子供への影響を考える

化物語で有名になりました西尾維新が書くのに10年かかったとコメントした少女不十分という本を紹介します。

本のあらすじ


小説作家志望の大学生が小学生に監禁される話です。
ある日、主人公の大学生は交通事故現場に遭遇してしまいます。
事故の被害者は下校途中の小学生でした。被害者は友人Uと一緒に下校しており、Uも主人公と同様に交通事故の目撃者でした。

Uは事故に遭った友人に泣き叫びながら駆けつけるのですが、その時におかしな行動をしました。
そのおかしな行動を主人公に見られてしまったことを感じ取ったUは主人公を監禁して自分が異常であることを世間に知られないように主人公を自分の家に監禁します。
監禁されている間、主人公はUの異常さを徐々に知り始めます。
必ずする挨拶、自分のご飯を抜いてでも与えられる食事、Uが学校に行っている間いつでも逃げられる主人公でしたが、逃げることはしませんでした。
監禁されていた物置から外に出るとそこにあったのは暫く家事を一切していないような有様の家でした。

家を見て回っているうちに主人公はUの部屋を見つけます。
そこにあったのは一冊のノートで、中を見てみるとそれはルールがびっしりと書かれたノートでした。Uの異常さはこのルールを忠実に守っていることから現れたのです。
Uの異常さは親の教育が原因と知りほっとけなくなった主人公は、Uとコミュニケーションを図りUを救おうとします。
その後近所の人から通報があり監禁生活は終わりましたが、その後Uがどのような人生を送れているのかは分かりません。
ただ、最後には再会を果たします。

本から学んだこと


親が子どもに与える影響は、人が想像するより大きいと思います。
どこに出しても恥ずかしくないような人間に育て上げるために、ルールを作ったり、躾をしたりというのは当たり前に行われていますが、それが本当に子どものためになるのか、正しいことなのかは誰にも分かりません。

この本ではUは自分が異常だということを理解しつつも、親の言うことは正しいと思い親の言いつけを忠実に守っていました。
だからこそ監禁という手段を選んだのです。
このことから自分が子どもを産むとき、または同じようなことで悩んでいる子どもと接点を持った時に親の言うことではなく、自分で考え、自分で正しいと思ったことをするように伝えたいと思いました。

本を読んで、今後参考にしたいこと・役立てたいこと


本の中に「異常でもいい。幸せになっていいんだ」というセリフがあります。
これを常に心に置いておきたいと思います。

自分の周囲にも理解できない思考を持っている人や、行動をしている人がいると思います。
しかしその人からしたら自分が異常かもしれません。
このことから当たり前なんてどこにもないことが推察されるので、その人はなんでそのような考え方なのか、なんでそのような行動を起こしたのか積極的に知っていきたいなと思いました。
そして、理解されなくても自分の考えを人に伝えることも大切だと思います。

本の感想


私はこの本に救われました。
この本を読んだのは高校生の頃で、私はその時、問題行動が見られ「お前は異常だよ」と言われていました。
認めてはいませんが、親も形だけでも認めろと言い味方が誰もいなく本当に自分がこのままでいいのか不安に思っていました。
しかしこの本で自分も幸せになる努力をしていいのかなと思え、多少なりでも前を見る気力に、生きる気力につながりました。
自分が周りから浮いていて苦しい人には一度読んでみてほしいなと思っています。

本のイマイチだったところ


特にありませんが、話の内容はとても暗いものになります。
笑いや、ポジティブな感情を求めて読むにはお勧めしません。
また虐待の要素もあるので大きなトラウマがある方は読まない方がいいです。
もう一つはUがその後どうやって過ごして、どういう考えでどんな活動をしているのか知れたらいいなと思います。

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